旅の記録(最新版)

第14回

2023年11月2日(木)

秋の江戸遠足 八王子市夢美術館と桑都はちおうじの歴史散歩

 

 11月とは言え、まだ暑さの残る中、秋の江戸遠足を行いました。今回は、漢方クラブ、ぶら多摩クラブの会員の方々にもご協力いただき、いつもより多い15名の参加でした。

 集合場所のJR八王子駅から八王子博物館へ。この博物館は八王子駅直結のサザンスカイタワー八王子の3階にあります。正式名称は桑都日本遺産センター八王子博物館(愛称はちはく)です。2021年6月にオープンしたビルの中の小さな博物館ですが、新しい試みの博物館です。

 「八王子の歴史文化に出会える場所「はちはく」。桑都と呼ばれる八王子の魅力を発信し、市内各地の歴史文化へとあなたを誘います」と八王子市のH.Pには紹介されています。

 展示の仕方もテーマ毎に本のページをめくるように工夫され、イラストをうまく使い八王子の魅力を発見できるようになっていました。交流コーナーでは車人形の実演、機織りなどを見せていただきました。

 学芸員の方から展示物の詳しい解説、八王子の歴史、桑都と称されるいわれ、今後の「はちはく」の活動について、1時間あまりのギャラリートークをしていただきました。小規模ですがたくさんの情報が詰まった素晴らしい博物館でした。

 ランチ後は、八王子市夢美術館へ。八王子駅北口から西放射線ユーロードを行くと、路地裏に石畳に黒を基調とした建物が並んだ「黒塀通り」と呼ばれる一角があります。八王子は昔から養蚕や織物が盛んで明治時代には大規模な製糸工場もあり、全国から集まる商人たちを接待する場所として花街が栄えたという。中町地区まちづくり協議会は、地元のメンバーが伝統と文化を活かしたまちづくりに取り組んでいるとのことです。

 八王子夢美術館では、「めぐりあう大津絵―笠間日動美術館・小絲源太郎コレクションと神戸女子大学古典芸能研究センター・志水文庫の大津絵」の企画展が開催されていました。

 柳宗悦は、『大津絵について』の中で「大津絵は、日本で生れた色々の民画のうちの一つで、しかも最もすぐれた典型的な民画の一例ということが出来る」と述べています。

 大津絵は江戸初期に滋賀県大津で生まれ、旅人向けの土産品、護符として描き売られたものです。

 大津絵には、教訓や風刺も多く含まれていて、例えば、〈猫と鼠〉には、飲酒に注意〈提灯釣鐘〉には世の中の道理が合わない様子などが描かれ、楽しい興味を引く作品がみられました。

 最後は、慈高山金剛院へ。この寺院は16世紀後半に創建され17世紀に現在の場所に移築されたという。東京都の有形文化財に指定された「紙本著色高野山絵図」 「紙本著色西王母図」を所蔵している由緒ある寺院です。東京文化財ウィーク期間中でしたので、この絵画を拝見することができました。ご住職から、寺院の縁起、絵画の詳しい解説などをしていただきました。歴史のある、重厚な寺院でした。

 八王子、身近な街なのに今まで行ったことがない場所もあり楽しかった、八王子博物館では、車人形の実演、昔の暮らしを彷彿とさせる機織りの実演など見学でき良かったなど参加者の皆さんから感想をいただきました。