旅の記録

<第9回>

2019年3月24日(日) 

《江戸のお花見遠足・東大~小石川後楽園》漢方クラブとのコラボ

 

 例年春の遠足は4月に実施していましたが、江戸の桜見物を味わいたいと、3月に行いました。

今回は漢方クラブとのコラボということで参加者がいつもの2倍になりました。(24名)

 東大に残る江戸としては、江戸切り絵図によると敷地は加賀藩(加賀殿)水戸藩(水戸殿)

と記されています。当時は広大なお屋敷だったわけです。有名な赤門は徳川家の姫が大名にお輿

入れするときに赤い門をくぐるという仕来りから作られたそうです。また、明るい庭園の中に不

釣り合いな灯篭が立っていましたが、蛇塚という伝説のある灯篭で加賀藩の奥女中に関わるもの

でした。夏目漱石の『三四郎』で有名になった「三四郎池」も元は加賀藩の庭園で「心字池」と

ばれていたなど、多くの江戸縁のものが残っていることが分かりました。

 江戸時代、明から亡命してきた儒学者の朱舜水終焉の地という碑が立っていました。朱舜水は

水戸光圀(黄門様)に招かれ「水戸学」の礎を築き、厚遇されました。

 安田講堂地下の学生食堂で昼食をとったことも、いつもと違って楽しめました。

 内田ゴシックの建築群を見学しながら、赤門を出て、樋口一葉縁の菊坂を下りました。

 小石川後楽園はボランティアガイドさんに説明してもらい、ゆっくりと散策することができま

した。作庭は東大に碑があった朱舜水の意見をとり入れ、小石川後楽園の名も『岳陽楼記』から

採られたものだそうです。

 桜の花を見ながらの庭園巡りは日本庭園とは少し趣のちがった円月橋など異国情緒豊かな風景

を楽しむことができました。また、琵琶湖に模した池、京都嵐山の渡月橋、東福寺の通天橋、清

水寺など庭園の特徴である「縮景」も「・・・のつもり」になって眺めを楽しむことができまし

た。

 今回も東京の中に隠れた江戸をたくさん見つけることができました。また、桜の季節に江戸の

お花見遠足ができて、充実した一日になりました。小石川後楽園の静かな佇まいの中で、後楽園

ドームからの賑やかな声援を聞くと、アンバランスな中にもどこか時代の交差点の雰囲気が味わ

えて面白いと思いました。

 いつも、先生方が参加してくださり、奥深いことを教えてくださいます。合同の遠足実踏に姫

野先生が参加してくださり、上野教授と忠犬ハチ公のことや東大のドーヴァーにかかる橋、たく

さんの銅像、建築様式など話してくださり、たいへん勉強になりました。

 昨年の秋の遠足で「次回は桜の季節に」と話したことが実現できて本当に良かったです。

 先生方、皆様お疲れさまでした。

 

小石川後楽園  後ろに東京ドームが見える

 

 

          東     大    内田ゴシック